2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 22:56:33.59 ID:mzJVXlPs0


imas

「みんなから新しいメガネのフレームをプレゼントされてしまった」

「…うれしいな、やっぱり」

「とりあえず午前中は仕事こなして、午後になったらレンズを買いにいこう」

「たぶんこの形のレンズだと、作ってもらわないとなさそうだしな」

千早「…あの、プロデューサー…」

「ん?どうした千早?」

千早「このあと、午後からオフと聞きましたが…」

「うん。昼から作りに行くつもりだけど…どうかしたか?」

千早「私も同行してよろしいですか?」

「え?俺にか?」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 22:57:47.60 ID:mzJVXlPs0

千早「はい。あの、駄目でしょうか…」

「いや、駄目なわけじゃないが…なんでまた?」

千早「実は最近、視力が悪くなっている気がして…」

「そうなのか?じゃあ一緒に行って視力を測ってもらうか」

千早「すみませんプロデューサー」

「いいよ。
  じゃあ昼過ぎに行こうと思ってたけど、早めにでて一緒に昼飯でも食べるか」

千早「は、はい!ありがとうございます!」

「うん、じゃあちょっと待っててくれ」




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:00:19.51 ID:mzJVXlPs0

「すまん、待ったか?」

千早「いえ…CDを聞いてましたから。それにまだ昼前ですし」

「そっか。じゃあ行こうか」

千早「はい」

「ちなみに千早は何が食べたいとかあるか?」

千早「いえ…私はこれといって、特には…」

「じゃあ俺のよくいく定食屋に…
  あ、いや、千早も一緒なんだし、ここはパスタかなんか…」

千早「プロデューサー。私、そこでいいですよ」

「そこって…定食屋か?ほんとにただの定食屋だぞ?」

千早「かまいません。
   プロデューサーが普段何を食べているのかも気になりますし」




6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:04:45.78 ID:mzJVXlPs0

「あー、まぁそういうなら…そこにしようか…」

千早「はい。楽しみです」

「わかった。安くて美味いからな。
  昔はほぼ毎日行ってたんだよ。事務所からも近いし」

千早「そうなのですか…ふふっ」

「?なんで笑うんだ?」

千早「いえ…ただ、私たち、こういったらなんですが、結構売れてきてますよね」

「あぁ、確かにな」

千早「その私たちのプロデューサーなのに、値段を気にするのが可笑しくて…
   すみません」




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:08:18.29 ID:mzJVXlPs0

「…あー、その、なんだ。いっとくけどそんなに貰っちゃいないぞ?俺は」

千早「え?そうなのですか?」

「プロデューサーといっても、所詮はサラリーマンだからな…
  あ、給料は秘密だぞ」

千早「くすっ…じゃあ、尚更その定食屋でよかったんじゃないですか?」

「懐的にはな。ただ、やっぱり見栄とか張りたいもんだから」

千早「プロデューサーとして?」




9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:11:06.15 ID:mzJVXlPs0

「まぁ、それもあるけど…男としてもさ」

千早「…そ、そう、ですか…」

「あ、あぁ…」

千早「…」

(あれ、なんか変な雰囲気に…)




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:12:12.65 ID:mzJVXlPs0

「…着いた、ここだよ」

千早「へぇ…なんだか昔の民間っていうかんじですね」

「そこがまたいいんだよ…すいませーん」

おばちゃん「いらっしゃい…ありゃ、P君じゃないの」

「うん、ご飯食べにきたよ」

千早「こ、こんにちは…」

おばちゃん「あら!あらあらあら…」

「な、なにさ…」

おばちゃん「なんだい!P君ちゃんと彼女いるんじゃないの!
      …でもちょっと若すぎない?変なことしてんじゃないでしょうね!」




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:13:14.80 ID:mzJVXlPs0

千早「か、彼女…」

「ちょ、ちょっとおばちゃん!千早とはそんなんじゃないって!」

千早「…」

おばちゃん「はぁー、あんたまたそんなこと言って…そこはそうじゃなくても、
      可愛いでしょ?くらい言わないとダメだって何度も…」

「わ、わかったから!ほら早く席着かせてよ!」

おばちゃん「あら。すっかり忘れてたわ、あっはは!」

おばちゃん「ほら、空いてるところに座って頂戴!」

「はー…いっきに疲れた…千早も、いろいろすまなかったな…」




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:13:57.36 ID:mzJVXlPs0

千早「いえ、気にしてませんから」

「そう?」

千早「はい…随分仲がいいんですね」

「仲がいいっていうか…からかわれてるんだよ。
  前は毎日来てたからさ、それでな…おばちゃん、注文いい?!」

おばちゃん「はいよー!そっから叫んでー!」

「俺サバ味噌煮ー!…千早はどうする?」

千早「え、えっと…プロデューサーは何がオススメなんですか?」

「うーん…オススメっていうか、前は出し巻き定職とかよく食べてたな。
  それでいいか?」

千早「はい」

「おばちゃーん!あと出し巻きー!」




14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:14:57.18 ID:mzJVXlPs0

おばちゃん「あー!きこえなーい!」

「出し巻きー!!」

おばちゃん「注文はご本人さまからしか受け付けないよー!」

「…しまった、これがあった…」

千早「プロデューサー?」

「…いや、ここはさ、注文するときに本人が叫ばないと受け付けない、
  『おばちゃんシステム』なんだよ…」

千早「…」

「あ、気を悪くしたらゴメンな。
  あー見えて結構頑固なおばちゃんだからさ…悪い人じゃないんだけど。
  直接行ってお願いしてくるよ」




17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:17:38.19 ID:mzJVXlPs0

千早「…プロデューサー。大丈夫です」

「え?」

千早「…すぅっ…おかみさん!!!私ー!出し巻き定食お願いしますー!!!」

「ちっ千早?!」

おばちゃん「あいよー!!なんだい、いい声が出せるんじゃないか!!
      あははは!!」

千早「…ふふっ」

「…すまないな千早。そんなことやらせて…」

千早「いえ。私、うれしかったです」

「うれしい?」

千早「はい…
   その、前も話したと思うんですが、私の家は家族がうまくいってなくて…」

「…」




18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:19:01.13 ID:mzJVXlPs0

千早「だけど、思ったんです。
   さっきのプロデューサーとおかみさんを見て…家族みたいだなって」

千早「血のつながってない人と、家族みたいに触れ合える…
   ことが、あるんだなって…」

千早「そう思ったら、こんな私でも、人といい関係が築けるんじゃないかって」

千早「だから、うれしかった」

「…そうか…でも、千早にはもう家族と同じくらい大切な人がいるじゃないか」

千早「えっ?」

「美希や、やよいや、あずささん…765プロのみんなだよ。
  春香なんて特に仲がいいじゃないか」

「みんな大切な仲間じゃないか。もう家族みたいなもんだ」

「だから、『こんな私』なんていうな。みんなが悲しむぞ?」

千早「…はいっ!」

「あ、もちろん俺も、千早を大切に思ってるよ?」

千早「ふふっ…はい。わかっていますよ、プロデューサー」

「あっ、今の笑い顔はすごく自然だったぞ?それが撮影のときに出せたらなぁ…」

千早「もぉ…酷いですプロデューサー…ふふっ」




21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:22:10.31 ID:mzJVXlPs0

おばちゃん「はいよ!鯖味噌煮ね。P君のは野菜たっぷりいれておいたからね!」

「おばちゃん、いつも野菜入れすぎだって…」

おばちゃん「そんでこっちが出し巻きね。さっきの注文、すごくいい声だったよ!」

千早「おかみさん、ありがとうございます」

おばちゃん「ははっ、おばちゃんでいいよ!
      で、おまけで出し巻き一本おまけしといたから!」

おばちゃん「たくさん食べないと、おっぱいも大きくならないよ!あっはっは!」

千早「くっ…」

「ちょっとおばちゃん!」

おばちゃん「おっとごめんごめん。馬に蹴られる前に退散するよ!
      ゆっくり食べてよ!」

「はぁ…重ね重ね悪いな千早…」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:25:28.55 ID:mzJVXlPs0

千早「その…プロデューサーは…」

「ん?なんだ?」

千早「む、胸は…大きいほうが、す…いいと思いますか?」

「ぶふっ!…あ、あぁ…む、胸ね…」

千早「…」

「あー、なんだ…その、要はバランスだ。
  体型っていうのはどこか特出してても駄目だと思う…」

「…」

千早「…」

「…コホン。それに、なんだ…
  俺は、あまり重要視しない…って、なんだこの会話は!?」




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:29:35.29 ID:mzJVXlPs0

千早「…くすっ」

「…千早、からかったな?」

千早「知りません。早く食べましょう。冷めますよ?」

「…ははっ」

千早「ふふっ」




千早「ごちそうさまでした」

「ごちそうさま。やっぱ味変わらないなー」




25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:30:08.83 ID:mzJVXlPs0

千早「変わってほしいんですか?」

「変わってほしくないな!…千早はどうだった?」

千早「はい、とてもおいしかったです。
   ありがとうございましたプロデューサー」

「それならよかった。じゃ、出ようか」

「と、その前にごめん、ちょっとトイレいってくる」

千早「はい」

千早「…」

おばちゃん「おじょうちゃん?」

千早「あ、おかみさん。出し巻き、おいしかったです。ありがとうございました」

おばちゃん「だからおばちゃんでいいって!お、完食してるね。えらいえらい」

千早「いえ…あの?」

おばちゃん「あー、いやね?P君の事、よろしく頼もうと思ってね」




26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:34:04.03 ID:mzJVXlPs0

千早「…よろしく?」

おばちゃん「あぁ。ほら、あの子今一人じゃないか」

千早「一人?」

おばちゃん「だから…って、あー、もしかしたら知らないのかね…」

千早「…その、教えていただけますか?プロデューサーのこと…」

おばちゃん「んー…まぁ、あんたはいい子そうだから言うけど。
      P君親御さんを亡くしてるっていうからさ」

千早「!そうなのですか?!」

おばちゃん「あぁ。だから家帰っても寂しくないように、
      よろしくしてほしいって言おうと思ってたんだよ」

千早「…それは」




27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:38:11.86 ID:mzJVXlPs0

千早「それは、大丈夫です。仲間が…沢山いますから」

おばちゃん「…どうやら、そうらしいね。おじょうちゃん見て安心したよ」

おばちゃん「これからもP君の事、よろしくおねがいね?」

千早「…任せてください!」

「…すまんすまん、出ようか…おばちゃん、変なこと吹き込んでないでしょうね?」

おばちゃん「やだよこの子は!せっかくP君のいろんな話をしてあげてたのにさ!」

「もー!それがいらんことだっての!はい!お勘定!」

おばちゃん「はいよ、また来なよ!」

「はいはい!…じゃ、出ようか千早」

千早「…はい」




28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:44:20.57 ID:mzJVXlPs0

「じゃあお昼も食べたし、早速メガネ屋に行くか」

千早「…」

「ん?どうした千早?気分悪いのか?
  …あ、さっきおばちゃんに何か言われたとか?!」

千早「あ、いえ…あの、プロデューサー」

「?」

千早「…プロデューサーのご両親は、今は…」

「…あー…おばちゃんそんなこと話したのか…」

千早「いえ!私が聞きだしたんです!おかみさんは何も…」

「あ、いやいや。別に怒ってるわけじゃないんだ」

「まぁ、確かに…死んだよ。母親も父親も」

千早「その、兄弟とかは…」

「いや、俺は一人っ子だな」

千早「…」




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:48:43.96 ID:mzJVXlPs0

「あのさ、千早」

千早「…はい…」

「たぶん、千早が想像してるようなことは無かったぞ?」

「両親はつい最近までちゃんと生きてたし、
  死ぬ前だって不幸なわけじゃなかったからな」

「むしろかなり甘やかされて育てられたと思うぞ。
  なんせ一人っ子だ」

「死んだ理由だって、病気だよ。
  それだってわかってから随分猶予があったから、
  それなりに孝行は出来たと思う…ただ…」

千早「…はい」

「…ただ、確かに、寂しくなるときはあるんだよ。
  おばちゃんに愚痴っちゃったりな」

千早「…はい」

「うん…だから、そんな顔するな。
  さっきも言ったろ?笑ってる方が、俺は好きだよ」

千早「…言ってませんよ…」

「あれ?そうだったか?」




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 23:55:38.16 ID:mzJVXlPs0

千早「…それに、今はメガネ、ないんじゃないですか。
   私の顔…見えるんですか?」

「…確かに遠くからだったらはっきりしないけど」

「でも、近づいて見る事は出来るから」

「…ほら、顔あげて…なんだ、泣いてるわけじゃないんだな。
  ハンカチはいらないか…」

千早「…あ、あんまり近づいて見ないでください…
   今みっともない顔してますから…」

「はは…けど、近くにいるよ。千早の顔、見えないからな」

千早「…あんまり、そんなことばっかりしてると、誤解されますよ」

「ん…そうかな。今後は控えることにするよ」

千早「…はぁ…もう、大丈夫です。すみません、急に」

千早「それに、失礼なこと聞いてしまって…」

「いいんだ。別に隠すようなことでもない。
  小鳥さんとか事務方は知ってるしな」

「じゃ、落ち着いたところで…メガネ屋行くか?」

千早「そうですね。行きましょう」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:00:58.96 ID:fX+1bZh/0

「よし、ついた。入ろうか」

千早「はい」

「んじゃ、俺先にレンズ頼んでくるな?」

千早「あ、着いていっていいですか?」

「かまわないけど…何も面白いことないぞ?たぶん」

千早「メガネを作る機会なんて、あまりありませんから」

「そっか…そういや春香とかは変装用に伊達メガネ使ってるよな。
  千早もあったほうがいいんじゃないか?」

千早「そうでしょうか…」

「まぁ、無理にとは言わないが。
  それに千早は春香ほど露出が多いわけでもないからな…
  いうほど気づかれないか」

「それに、視力悪くなってきてるなら、ちゃんとしたメガネかけることになるしな」

千早「は、はい、そうですね」

「?」




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:07:50.13 ID:fX+1bZh/0

店員「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件で?」

「あ、このフレームにあうレンズを作りたいんですが」

店員「かしこまりました。こちらの席にお座りになってお待ちください」

「あ、彼女もいいですか?」

店員「!…どうぞ。こちらへ」

千早「あ、ありがとうございます…」

「なんだ、緊張してるのか?」

千早「じ、実は…少し」

店員「…お待たせしました。
   今日はレンズの作成ということでよろしかったですか?」

「はい…これなんですけど」

店員「お借りいたします…メタルのハーフフレームですね。
   それでしたらお使いいただけるレンズの種類は、
   こちらから、こちらまでとなっておりますが」

「えっと、じゃあ…」

千早「あの、プロデューサー…」

「ん?どうした?」

千早「この、薄型とか、ハードコーティングとかはどういった意味なんですか?
   よくわからなくて…」




40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:11:21.35 ID:fX+1bZh/0

「あぁ、薄型ってのはレンズを薄く出来る種類。
  コーティング関係はレンズの上に焼付ける被膜の種類だな、
  紫外線カットとか防指紋とかいろいろある」

「一般的に屈折率の高いレンズほど薄くできるが、値段が高くなるな。
  俺はそんなに視力悪くないから、レンズもそれなりの屈折率のやつだ」

「コーティングに関しては、そのレンズにつける、まぁオプションみたいなもんだ。
  だが大抵店の揃えているレンズのグレードによって決まってくる」

「俺は大体指紋が付きにくくするコーティングがあるやつを選んでるな」

「あと、レンズに色を乗せることもできる。
  これは有料だし、社会人になるとなかなか派手な色はつけられないから、
  無色透明だな」

千早「へぇ…いろいろあるんですね」

店員「」




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:16:39.78 ID:fX+1bZh/0

「あ、それと、彼女の視力検査もお願いできますか?」

店員「…かしこまりました。こちらへどうぞ」

千早「あ、いえ、私は…そんな悪いですから…」

「大丈夫だ、メガネ店で視力検査は大抵無料だ。気にすることはないぞ」

千早「そ、そうですか…」

店員「それでは失礼します」

「おう、いってらっしゃい」



「そろそろ検査が終わるかな」

千早「…ただいま戻りました」

「お、どうだった?メガネがいりそうか?」

千早「あ、その…大丈夫でした。ま、まだこのままでいけるみたいです」




42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:19:51.59 ID:fX+1bZh/0

「ふーん…視力ってどんくらいでした?店員さん」

千早「!」

店員「…」

店員「すみません、失礼ですが、もしかして如月千早さんでしょうか?」

「え?」

千早「あ、はい。そうですけど…」

店員「私、千早さんの歌のファンなんです。
   よければ握手していただけませんか?」

千早「?ありがとうございます…」

店員「…ありがとうございます」

店員「…すみません、お客様。それで、千早様の視力ですが」

「あ、はい…」




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:22:43.97 ID:fX+1bZh/0

店員「両目とも0.7でした。
   日常生活に支障はないでしょうが、これ以上悪くなるようでしたら
   メガネをお勧めします」

千早「えっ…さっきは1.5って…」

「ほうほう、やっぱりちょっと悪くなってるんだな。
  あまり目を酷使しすぎるなよ千早」

千早「あ、はい…」

店員「…握手、ありがとうございました。友達に自慢できます」

千早「…ありがとうございます!」

「んじゃ、いこうか。メガネできるまで日にちかかるみたいだしな」

千早「はい。あ、ちょっと待ってください、プロデューサー」

「ん?どうした?メガネもって…」




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:23:39.87 ID:fX+1bZh/0

千早「…ふふっ、似合ってますか?」

「…あ、あぁ…似合ってる…すごく…」

千早「本当ですか?もっと近くで見ないとわからないんじゃないですか?」

「え、ちょっと、顔近いって!」

千早「?…あっ!」

「…」

千早「す、すみません…」

「いや…それ、買ってあげるよ」

千早「え!?そんな、いいですから!」

「遠慮するなって。いいものが見れたしな?」

千早「も、もぉ!」




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:27:07.14 ID:fX+1bZh/0

店員「ありがとうございました」

「どうもー」

千早「…あ、あの、プロデューサー…」

「ん?なに?」

千早「その…ありがとうございました」

「いいんだって、メガネくらい」

千早「…ありがとうございます、本当に…」

「さて。用も終わったわけだけど…この後はどうする?事務所に戻るか?」

千早「あ、あの…行ってみたいところがあるんです…」

「行きたいところ?」




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:31:21.25 ID:fX+1bZh/0

千早「はい。新しくできた水族館なんですが」

「へぇ…そんなものが出来たんだ?…じゃあ行ってみるか?」

千早「!よろしいのですか?!」

「ああ。実は急に入った半休だから、やることがなくてさ」

「むしろ、千早が行くなら付いて行きたいってのが本音だ」

千早「わ、私もその…一緒に、行けたらと思ってました…」

「そっか!じゃあ今からいこうか。時間大丈夫か?」

千早「今から行っても、十分ひとまわり出来る時間はありそうですね」

「よし。じゃあ行くか!」

千早「はい!」




50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:34:32.11 ID:fX+1bZh/0

「…ここかぁ。こんなところに水族館が出来てたとは…」

千早「やっぱり新しいからきれいですね…入りましょう、プロデューサー」

「うん、じゃあチケット買ってくるな」

千早「あ、私も行きます」


窓口「ようこそ。何名さまですか?」

「大人1枚と高校生1枚で」

窓口「ご家族の方でしたらセット割がお使いになれますが…」

「あ、いや俺たちは…」

千早「はい、お願いします」

窓口「はい。では2500円になります。お楽しみください」




51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:37:33.70 ID:fX+1bZh/0



「千早。なんであんな嘘ついたの?」

千早「…怒ってますか?」

「いや、怒ってなんか…ただ、千早にしては珍しいなって」

千早「…ただ、羨ましかったんです」

「羨ましい?」

千早「はい…私、あまり、その…家族と、仲がよくなくて…」

「…」

千早「それで、プロデューサーと…家族みたいになれたらいいなって…」

千早「すみません、なんか私、変なこと言ってますね。忘れてください」




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:41:49.15 ID:fX+1bZh/0

「わかった」

千早「え?」

「じゃあ、千早は今から俺の家族だな」

千早「…あの、無理されなくても…」

「いやいや、無理じゃないよ。
  俺も一人っ子だから、兄妹がいたらどんなかんじなんだろうって思ってさ」

千早「…兄妹、なのですか?」

「そうなの。少なくとも水族館出るまではな。
  じゃないと、嘘つきになっちゃうだろ?」

千早「…ふふっ…はい、兄さん…」




54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:45:59.58 ID:fX+1bZh/0

「うっ…」

千早「?どうしたんですか?プロデューサー」

「いや、今の、もう一回、頼む…」

千早「あ…、兄、さん…」

「…千早…はっ!いやいや、今かなり俺やばかったぞ…」

千早「…どうしたんですか?兄さん」

「おおぅ…ど、どうもしないよ、千早…」

千早「ふふっ…じゃあ、行きましょう?兄さん!」




55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:50:45.84 ID:fX+1bZh/0

「おぉ、あのデッカイ魚変な顔してるな」

千早「あれはナポレオンフィッシュっていうらしいですよ」

「でかいな…」


千早「あ、クリオネですよ兄さん…可愛い…」

「ああ。でも千早も可愛いよ」

千早「…もぉ…」


「おい千早!ペンギンだぞペンギン!すげー!歩いてるよ!」

千早「ちょっと兄さん、はしゃぎすぎです…恥ずかしい…」

「あ!あっちはアザラシか?!」




56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:55:50.01 ID:fX+1bZh/0

「はー、一通り周ったかな?」

千早「えっと…そうみたいですね」

「そっか。じゃあそろそろ出ようか?」

千早「…もう少し…」

「ん?どうした?」

千早「もう少しだけ、兄妹でいさせて下さい…兄さん…」

「…ああ、任せろ!じゃあ、お土産でも見に行くか?」

千早「は、はい!」




58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:56:44.47 ID:fX+1bZh/0

「へぇ、ぬいぐるみがいっぱいだな」

千早「すごいですね…」

「千早はどれがかわいいと思う?」

千早「そうですね…この真っ白なイルカでしょうか?」

「ふんふん…俺はこれだな。シャチ。白黒でカッコいい」

千早「ふふっ、兄さんは白黒の動物が好きですね」

「え?そ、そうかな?」

千早「ペンギンでもすごくはしゃいでましたから…」

「…あー、ちょっと今になって恥ずかしくなってきた…いくつだよ俺…」




59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 00:59:12.19 ID:fX+1bZh/0

千早「…」

「…買ってやろうか?そのイルカ」

千早「え?!いえ、いいですいいです、メガネも買っていただいたのに…」

「気にするなよ。俺は千早の兄貴なんだからさ。甘えてくれよな?」

千早「兄さん…いえ、やっぱりいいです。
   私の部屋には、似合わないと思いますし」

「そうなのか?」

千早「はい。それに、他にぬいぐるみを持っていませんから、
   この子も寂しがると思いますから」

「…そっか。わかった」

千早「…あの、代わりに…」

「ん?…お、いいじゃないか!」

千早「…買っていただいても、いいですか?」

「いいよ、任せろ!ちょっと買ってくるな!」

千早「…」




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:09:36.90 ID:fX+1bZh/0

「ほら、コレ。大事にしてくれよな」

千早「ありがとうございます…その、水族館を出てから渡してください、兄さん…」

「ん?あぁ…わかった」

千早「もう、兄妹じゃなくなるんですね…」

「…そうだな」

千早「…兄さん、聞いてくれますか…?」

「…ああ、何でも聞くぞ」

千早「あの…ひとりの女の子の話です。その子の家族はすごく仲が良くて…」

千早「母がいて、父がいて…その子にも、弟がいて…」

「…」




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:22:06.30 ID:fX+1bZh/0

千早「…でも…でも、その子の弟がある時、事故に巻き込まれてしまって」

千早「父と母は、それが原因で不仲になって…離婚してしまって…」

千早「…その子は全部、自分が悪いと思っているんです…」

千早「だから、弟の為に、出来ることを…生きていたときに出来なかったことを
   してあげる為に、頑張らないといけないんです」

千早「…そんな子が、弟が知ることが出来なかった幸せを、感じるのは悪いことだと、
   考えてしまって…」

「うん…」




63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:27:35.96 ID:fX+1bZh/0

千早「でも、どうしても。頭から離れないんです。
   幸せになりたいと願う、その子自身が…」

千早「…すみません、なんだか変な事言い出しちゃって。忘れてください…」

「…」

「俺は、その子のこと、何も知らない」

「幸せになるべきだとか、その子の弟さんの事を悲しんでやれとか」

「そんな事、言える立場じゃない」

「だから、これは俺の勝手な思いなんだけどな」

「…その子には、幸せになって欲しいよ。
  その幸せが弟さんや、その子のご両親…に伝わってくれればと、思うよ」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:30:51.57 ID:fX+1bZh/0

「それで、その幸せの光景の中に、少しでもいいから俺が関わっていれば、
  俺は満足だよ」

千早「…プロデューサー…」

「…ははっ、なんかクサいこと言ってるな、俺…
  それに、今のは千早の話じゃないのにな?」

「あと、まだ俺は千早の兄貴だぞ?」

千早「…はい、兄さん…ありがとう…」




65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:35:46.00 ID:fX+1bZh/0

千早「今日はありがとうございました」

「いや、俺も楽しかったよ。ありがとうな」

「それで、コレな…千早。なんで出てから渡すようにしたんだ?」

千早「…その、出来れば、兄さんからとしてではなく、プロデューサーとして、
   プレゼントされたかったんです」

「…そっか。じゃあ、コレは俺から、千早へのプレゼントだな」

千早「ありがとうございます…大切に、しますから」

千早「…あと、プロデューサー?」

「ん?」

千早「これは、私から、プロデューサーへのプレゼントです。受け取ってください」

「え?…あ、ありがとう。うれしいよ…というか、いつの間に買ったんだ?」

千早「プロデューサーが会計を済ませている間に」

「はは…そっか。本当にありがとうな、千早。大切に使わせてもらうよ




66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:40:00.70 ID:fX+1bZh/0

千早「はい。あの、プロデューサー…」

「?」

千早「…私、頑張ります。妹としてではなく、如月千早として!」

「お、おう!…え、どういうこと?」

千早「ふふっ…内緒です。
   それではプロデューサー、また明日から、よろしくお願いしますね」

「…おう!どんとこい!」

千早「…はい!」




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:40:59.21 ID:fX+1bZh/0

春香「おはようございまーす」

千早「おはよう、春香」

春香「千早ちゃんおはよう!…あれ?千早ちゃん、そのネックレス…」

美希「この間新しく出来た水族館のなの!千早さん、いつ行ったの?!」

千早「ちょっとね…似合ってるかしら?」

春香「うん!すごく似合ってるよ!」

美希「シンプルなところが、千早さんらしいの!」

千早「そう、よかった…」




69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:43:02.26 ID:fX+1bZh/0

「ただいま戻りましたー」

美希「あ!ハニーなの!ハニーおかえりー!」

「わぁっ!こらくっつくな!」

美希「えー!やだやだー…あれ?ハニー、タイピン変えたの?」

「え?!お、おう…ちょっとな?」

美希「シャチの形のタイピン…まさか…プレゼントなの?!
   誰から貰ったのハニー!」

「え?えっと、それは…そう、家族だよ、うん!
  …というかシャチの形とかよくわかったな美希…」




70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 01:46:00.19 ID:fX+1bZh/0

千早「へぇ…家族、なんですか?」

「うわっ!千早!…あ、あー、家族?だったというか…なんというか…」

美希「ちょっとハニー!はっきりするの!」

「えっと、えっとだなぁ…おい千早!助けろ!」

春香「え?なんで今千早ちゃんが出てくるの?!」

美希「千早さん?!千早さんがプレゼントしたの?!」

「あー!えっと、それはだな…な?千早?違うよな?」



千早「ふふっ…秘密ですよ。ね?」

千早「兄さん?」



おわり