28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 14:48:19.89 ID:cVhL/dqd0


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ーーー会議室ーーー

「あずささん、もうアイドル辞めませんか?」

あずさ「え………な、なん……………………」

「お気づいたかも知れませんが先日のライブなどの
  アイドル活動に限界が感じられます。」

あずさ「……………」

「だから、アイドルやめて結婚しよう。」

あずさ「え?ええ?え?………………い、いまなんて?」




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 14:56:39.65 ID:7fxJMkWJ0

「だから、アイドルやめて結婚しよう(相手が自分だとは言ってない)」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 15:12:59.01 ID:7fxJMkWJ0

「ここに数枚お見合い写真があります。 好きな方をを選んでください」

あずさ「ちょっとおっしゃっている意味が…」

「この方なんてどうですか? 47歳メディア関係会社取締役。
  ちょっと歳の差が気になりますが、このご時世に歳の差なんて些細な問題ですよ」

あずさ「いや…あの…」

「アイドルと結婚となれば、あちらさんも話題作りができて嬉しいでしょう。
  どうですか?」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 15:22:12.26 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「私そういうのはちょっと…」

「あー、そうですか…やはり20歳近くも歳が離れていると
  世代が違って会話が続かないかもしれませんね」

あずさ「いやそういうわけでは」

「じゃあこの方はどうです?
  31歳俳優…とはいえ最近は役者業よりバラエティで活躍していますが」

あずさ「えっと…」

「早急に子どもを作って育休から復帰、イクメン&カリスマママさんタレントで
  売り出すのもいいかもしれませんね」

「少子化対策の方向から仕事が来るかもしれません。
  少なくとも今よりは仕事にメリハリがつきますし、何より仕事数も増える」

あずさ「……」

「どうです?」




40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 15:32:32.56 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「あの…お見合いは…ちょっと…」

「いやぁ、自然恋愛に憧れるのもわかりますがね、現在のアイドルという仕事柄、
  恋愛はイメージ的にNGなんですよ」

「もちろん最近では大手を振って恋愛するアイドルも多々いますが、
  あずささんはそういう方向で売ってないでしょう?
  だとすればお見合いからの電撃結婚発表、これが一番です」

「大丈夫、お見合いという形が嫌なら、仕事の関係者を通じて~とでも
  発表したらいいんです。
  ファンもそちらの方が安心するでしょう」

あずさ「そういう問題では…!」

「ああそうそう、そういう問題の前に相手でしたね。
  ではこの方は? 大手流通業のお偉いさん…の息子さんです」

「まぁ、今はまだ系列の課長手前ですが、この方とあずささんが
  結婚してくだされば…
  大きい声では言いづらいですが、スポンサーには困らなくなります」

「どうです?」




44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 15:41:23.92 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「Pさん…私にアイドルを辞めるどころか、政略結婚をしろと…
    そう仰るのですか」

「そうです」

あずさ「えっ」

「ま、政略結婚って表現はちょっと古いですが…うーん、どうしましょうね」

あずさ「言いたい事があればはっきり仰ってください。 私、受け止めます」

「あ、そう? じゃあはっきり言うけどね」

あずさ「はい」

「現状ではアイドルはもう無理だわ、お前」

あずさ「」




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 15:50:23.04 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「無理…ですか。 でも私はまだ」

「やりたいことがあるとか、活躍したいとか、色色あるとは思うけどね」

「こっちも商売なんすわ。
  いつまでも同じものを店頭に置いておくことはできないのよ」

あずさ「でも」

「先月のCD売上、どうでした?」

あずさ「…過去最低でした」

「うん。 先週の出演番組、見た?」

あずさ「…私が喋った部分はほぼカットされてました」

「うん、ちゃんと把握してんじゃん」

あずさ「でも先日のライブは…!
    減ってはきているもののそれなりの来場者数で」

「サクラにいくらばら撒いたと思う?」

あずさ「…えっ?」

あずさ「えっ? …えっ?」




57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:00:13.33 ID:7fxJMkWJ0

「もちろん知ってると思うけど、この事務所には他にもアイドルいるよね」

あずさ「…はい」

「その子らのライブ客数…いやこの際大きく括って、
  CDやTVの視聴率その他諸々含めた集客力とでも言おうかな」

「その集客力、君の何倍あると思う?」

あずさ「…2倍ほど…ですか」

「ん、謙虚なのはいいけど違うな。 約1.5倍だ」

あずさ「…受け止めます」

「下から数えて2番目の春香と比べてこの差だ、
  トップと比べるのは止めておこうか。 …計算メンドいし」

「ぶっちゃけ、トップ勢の儲けで君のライブの赤を埋めているのが現状でね」

あずさ「それは…知りませんでした」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:08:09.85 ID:7fxJMkWJ0

「知らなかった、か。 でも勘づいてはいたんじゃないの?」

あずさ「……!」

「まぁ今はどっちでもいいから追求せずにおこう」

「で、どうする?」

あずさ「…何がですか」

「会話でまで迷子にならないでほしいな…今後のことだよ。
  アイドルはもう無理d」

あずさ「どうにか!」

あずさ「どうにかもう少しアイドルを続けるわけにはいかないでしょうか…!」




65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:16:54.75 ID:7fxJMkWJ0

「うーん…いや、名乗るだけなら誰でもなれるんだけどね、アイドル。
  でもそれって自称じゃん」

「こちらとしても心苦しいのは同じなんだけどね、さっきも言ったように
  君は活動すればするほど赤字になるのが現実で」

「トップ勢の売り上げ…いや、もうはっきり言おう。
  他の子のチャンスを壊してまで、足を引っ張ってまでアイドルやりたい?」

あずさ「そ、そんな大げさな…」

「大げさ? まぁ部分的には大げさかもしれないね。
  売り上げ上位の子たちから見れば、君へのフォローなんて痛くも痒くもない」

「だが下位の子たちはどうだ?
  本来受けられるはずだったフォローや補填、それが全て君に回される」

「十分な広告が打てない、ライブ会場の規模を若干下げざるを得ない、
  君を嫌うMCの番組から呼ばれない」

「他人の夢を吸い取ってまで、君はアイドルを続けるか?」




68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:27:39.02 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「ここの子たちに迷惑がかかるというのなら…」

「事務所移籍? それは既にこっちで考えたよ。 でも無理だ」

「話題作りにはいい案だと思ったんだけどさ、引き取り手が現れなくてね」

あずさ「…その口ぶりだと、既に打診済みのように聞こえるんですが」

「正式な打診ではないよ。
  この業界だとさ、ほら、同業同士でのパーティーとかあるじゃん」

「そこで軽~く聞いてみたのよ、ウチの三浦あずさどうですかーって。
  まぁどの事務所のPも苦笑いで終わったけどね」

あずさ「…わかりました、もういいです…」




72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:38:00.01 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「どうしようもないんですね、私」

「そんなことはない! だからこうして苦肉の策としてお見合いを」

あずさ「結婚相手ぐらい自分で……自分で自由に選ばせてください!」

「いい加減にしろ!
  同じことを言い放って引退した亜美がどうなったか忘れたのか!」

あずさ「……」

「……」

あずさ「……ごめんなさい」

「……いや、こちらもすまなかった。 亜美の話はよそう」

あずさ「……はい」




78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:49:50.25 ID:7fxJMkWJ0

「とにかく、今は君の今後についてだけ話し合おう」

あずさ「はい」

「話を整理して、こちらの考えをまとめよう」

「君はもうアイドルは無理だ。 人気的にも、資金…こちらの事情的にも」

「だが僅かながらもまだファンはいる。
  このファンをいかに悲しませずに…君にアイドルを辞めてもらうか」

「そしてたどり着いたのがお見合いからの寿引退だ。
  先ほども言ったが、お見合いは我々にとっても苦肉の策でもある」

「それだけは忘れないでほしい」

あずさ「…はい」

「そして、今度は君の言い分だが…」

あずさ「まだアイドルを続けたいです」

「…平行線か」




80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 16:58:28.11 ID:7fxJMkWJ0

「ハァ…結婚も悪くはないと思うんだがなぁ」

あずさ「結婚が悪いんじゃありません、プロセスと着地点の問題です」

あずさ「現に、あれだけ渋ってた伊織ちゃんもいざ結婚したら」

「その話題は止めろ。 誰が聞いているかわからん」

あずさ「あ…すいません」

「アイドルもダメ、結婚もダメ、かー…」

あずさ「アイドルはまだ…!」

「……チッ(もうこんなに時間使っちまった)」

あずさ「私、頑張ります!」

あずさ「スタジオへの道もちゃんと覚えます! 収録でボーッとするのも控えます!
    ドラマのセリフも…Pさんのカンペなしで言えるように努力します!」

あずさ「だから…」

あずさ「だからお願いします…!」

あずさ「アイドル…続けさせてください…」




87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 17:10:34.85 ID:7fxJMkWJ0

「あのさ…」

あずさ「……はい」

「まだ道覚えてなかったの?
  どれだけあの施設にお世話になったと思ってんの?」

あずさ「ごめんなさい」

「収録でボーッとしてなくても、カットされるときはスパッと切られるよね?」

あずさ「ごめんなさい」

「ドラマのセリフも、最近は通行人Cとかの役ばかりだから
  そもそもセリフないよね?」

あずさ「ごめんなさい」

「ハァ…」

あずさ「私…どうすれば…」

「いやだから結婚」

あずさ「どうすればアイドルを続けられるのでしょうか…」

「だーかーら!」




89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 17:23:20.64 ID:7fxJMkWJ0

「よしわかった! よーくわかった!」

「これだけ俺がダメだと、お前はもうアイドル無理だと!
  そう言ってるのに」

「まだアイドルを続けたいと! そう言うんだな!」

あずさ「…はい」

「事務所内ですら最下位なんだぞ!」

あずさ「私は…諦めたくありません! 夢なんです!」

あずさ「たとえ最下位でも、たとえPに反対されても、アイドルでいたいんです!」

「他人の足を引っ張ってでもアイドルをやるのか!」

あずさ「う……そうならないよう今後努力します!」

「その心意気はよし!
  だが俺は、今後お前のプロデュースからは手を引かせてもらう!」

あずさ「えっ」




92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 17:33:14.30 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「…どうしてそんな事言うんですか」

「当たり前だ!
  こんな扱いにくいアイドルなんか今後育てられるか!」机ビターン

あずさ「……!」

「泣いたって無駄だね!
  これぐらいで泣くならそれこそアイドル辞めちまえ!」

あずさ「そんな」

社長「おや…こんな遅い時間まで、まだ2人とも残ってたのかい」

「あ、社長……ギリギリまですいません」

社長「話し合いは終わったかな?」

あずさ「いえまだ」

「はい、終わりました」

あずさ「え……」




95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 17:44:51.86 ID:7fxJMkWJ0

「これからもアイドルを続ける、という方向で話はまとまりました」

社長「…そうか」

「残業代も心配でしょうし、俺はそろそろ失礼します」

あずさ「いや、まだ」

「明日からの事は律子にでも伝えておくわ、じゃ、お疲れ」

社長「気を付けてな」

あずさ「……」

社長「あずさ君」

あずさ「はい」

社長「アイドル、続けるのか」

あずさ「……はい」

社長「茨の道になるだろうが、改めて頑張ってくれたまえ」

あずさ「はい……!」

社長「今日はもう遅い、帰りたまえ。 お疲れさん」




96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 17:55:10.51 ID:7fxJMkWJ0

次の日

あずさ「おはようございます」

春香「あずささんが遅刻せずに出社した…だと…?」

「珍しいね、雪でも降るんじゃない?」

あずさ「私今日からは生まれ変わってアイドルするって決めたんです」

春香「う、うん…?」

社長「皆おはよう。 朝礼を始めるぞ」

律子「連絡するような事ってありましたか?」

社長「1つだけある。 昨日を以てP君が退社した、以上」

あずさ「えっ」

真美「え→、今さら?」

「かなり前に本人に聞いたよ? 内緒だけど、って」

あずさ「えっ、えっ?」




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 18:10:59.47 ID:7fxJMkWJ0

あずさ「私聞いてません!」

律子「そうなの?
   昨日2人で遅くまで残ってたから、お別れ会でもしてるのかと思ってたけど」

あずさ「昨日は…今後の私の話を…」

律子「ん? 引き継ぎの話?」

あずさ「引き継ぎというか…その…」

律子「引き継ぎの話ならとっくの昔に私の手元に来てたのに…。
   アイドル三浦あずさ・躍進計画、って大仰なやつがね」

あずさ「アイドル…?」




108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 18:19:47.65 ID:7fxJMkWJ0

律子「彼はいつも悩んでたわよ、あずささんをトップアイドルにするには
   どうしたらいいんだ~って」

社長「家の都合でどうしても地元に帰らなくてはいけなくなったそうで、
   半端な状態で君を手放すのをP君も非常に悔しがっておったよ」

あずさ「私…そんな…」

律子「社長、そろそろ…」

社長「ん? あ、うむ。 では朝礼は以上、今日も1日頑張りましょう」

律子「あずささんは朝から基礎レッスン…って何で泣いてるの!
   レッスンそんなに嫌?」

あずさ「私…私…」

律子「P殿からは厳しくするように言われたからね、ガンガンいくわよ!
   ほら立って!」

あずさ「……はい……頑張ります! 私……頑張ります!」

律子「よーしその心意気だ!」




115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 18:30:45.06 ID:7fxJMkWJ0

数年後

司会者「……というお話があって、三浦さんはアイドルとして成功した、と」

あずさ「成功だなんて……まだまだ途上です」

司会者「ンー謙虚ですねー、しかしその元P氏、今はどうしていらっしゃるのか」

あずさ「私はあれから急に忙しくなって…全然連絡が取れないんです」

司会者「もし会えて、お話ができたらどうしたいですか?」

あずさ「聞きたい事が2つあります」

司会者「なるほどなるほど…では登場していただきましょう、
    トップアイドル三浦あずさを見出したP…
    失礼、元P氏ご本人です!」

あずさ「えっ」

司会者「カーテンオープン!」




121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 18:43:25.82 ID:7fxJMkWJ0

「やあ」

あずさ「」ポカーン

「収録中にボーッとしない!」

司会者「おーっとこれは厳しい元Pですね(笑)」

あずさ「あ、えと、お久しぶりです」

「あ、どうも」

司会者「んー、これは甘恥ずかしいですねー。
    さて三浦さん、聞きたいことがあったようですが…」

あずさ「あ、はい。 じゃあ、えーと、まず1つめですけど」

あずさ「あの日、私に厳しくしたのはやっぱり私を伸ばすために…?」

「いやー…」

司会者「あー照れてますねー、顔真っ赤ですねー」

あずさ「じゃあ2つめです」

あずさ「あの日持ってきてくださったお見合い写真、全部で72枚ありましたけど」

あずさ「最後の1枚にPの写真が混じってたのは偶然ですか?」




126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 18:57:59.82 ID:7fxJMkWJ0

「それは…いやー…あのですね…」

司会者「これは恥ずかしいですねー…ちなみにどんなお写真でした?」

「いやいやちょっと!」

あずさ「うふふ、秘密です。 あ、すいません最後にもう1つ質問いいですか?」

司会者「何個でもどうぞー」

あずさ「ここにその写真があるのですが…」

司会者「おおっ!」

あずさ「あらあら、見せませんよ~」

あずさ「それで、このお見合い写真は…今でも有効ですか?」

司会者「おーっ、これは! 何と大胆な! そしてその答えはどうなんだ元P氏!」




129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/26(木) 19:06:23.27 ID:7fxJMkWJ0

「いやさすがに“現役”トップアイドルに手は出せませんよ」

あずさ「えっ」

司会者「あーっとやはり“元”とはいえP! Pとしてのプライドが勝ったか!」

「それにこういうのは、やっぱり男から言わないと」

司会者「なるほど」

「ところで」

「あずささん、アイドル辞めて俺の嫁になるのはどうです?」

あずさ「」